カラーグラフ 乳腺疾患の外科病理・8
乳癌腫瘍内リンパ管腫瘍塞栓
山科 元章
1
1埼玉医科大学第一病理
pp.1313-1315
発行日 1987年8月20日
Published Date 1987/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209786
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腫瘍径2cm以下で腋窩リンパ節への転移がない乳癌(Stage I)の治療成績はかなり良好で,このような腫瘍は早期乳癌としてさえ評価されている.しかし,これらの症例の5年生存率は必ずしもすべてが満足のいくものではなく,2年以内に癌死する例が20%近く認められたという報告もある.したがつて,腫瘍径(T)やリンパ節転移(N)以外にも乳癌の予後を大きく左右する因子の存在が考慮されるわけで,これまでにも数多くの因子が評価され,さまざまな議論を呼んでいる(表).本稿では,このなかで乳癌病巣内リンパ管腔への腫瘍浸潤(ly)の診断とStage I乳癌におけるその陽性所見の意義について検討する.
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