Japanese
English
特集 乳癌診療のUp-to-date
有効な化学療法とその実際—進行乳癌の化学療法として
The current status of chemotherapy and endocrine therapy for advanced breast cancer
吉田 穰
1
Minoru YOSHIDA
1
1愛知県がんセンター乳腺外科部
pp.1363-1371
発行日 1987年8月20日
Published Date 1987/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209793
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
乳癌は腺癌のなかでも,化学療法に比較的よく反応する固型癌であるが,延命効果からみると,現在の化学療法は必ずしも満足すべきものではない.一方,進行・再発乳癌の治療には,内分泌療法という有力な手段があり,約30%の症例がこれに反応し,かなりの延命効果が得られる.
したがつて,患者のquality of lifeおよび治療のcostの面からみて,再発の初期においては,内分泌療法を第一選択として行うべきであり,化学療法を行う場合には,比較的副作用の少ない単剤長期経口投与から開始すべきものと考えられる.多剤併用化学療法は,奏効率の非常に高い組合せが多く発表されているが,その有効期間は短く,再発の初期に直ちにこれを行うことには疑問が残る.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.