特集 [施設別]悪性腫瘍治療方針のプロトコール
乳癌治療のプロトコール—聖マリアンナ医科大学第1外科
渡辺 弘
1
,
山口 晋
1
Hiromu WATANABE
1
,
Susumu YAMAGUCHI
1
1聖マリアンナ医科大学第1外科
pp.982-987
発行日 1987年5月30日
Published Date 1987/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209738
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はじめに
乳癌治療の中心は手術療法である.基本的手術術式として代表される定型的乳房切断術が確立されて80年以上経過するも,本邦において本術式は確実性,根治性の高い術式として最も普及している.近年,欧米における縮小手術の普及とともに本邦においても縮小手術の適応範囲が拡がりつつある.一方において,鎖骨上リンパ節ないし胸骨旁リンパ節郭清を合併する拡大手術成績は定型的乳房切断術の成績と変わりないとするものもあり,次第に減少してきたが,最近,術式を改め再検討を行う施設も見られる1,2).
各種抗癌剤の開発,複合化学療法の工夫,さらにエストロゲン・レセプターの有無による内分泌療法および化学・内分泌療法の適応,放射線療法および免疫療法の併用によつて,乳癌の治療成績は確実に向上している.
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