特集 施設別/新・悪性腫瘍治療のプロトコール
Ⅱ.胃癌治療のプロトコール
(1)慶應義塾大学医学部外科
久保田 哲朗
1
,
熊井 浩一郎
1
,
大谷 吉秀
1
,
大上 正裕
1
,
北島 政樹
1
Tetsuro KUBOTA
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.41-49
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901669
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胃癌は本邦においても減少傾向にあるものの,いまだに癌死亡の1位を占める重要な疾患である.しかしながら,胃癌を構成するstageについては変化がみられ,stage Ⅰ胃癌が全体の48%と増加する一方で,手術により治癒しがたいstage Ⅳ胃癌が依然として18%と1/5近くを占めている1).このstage構成の変化に対しては治療する側の対応も必要であり,教室では,粘膜内(m)胃癌に対しては内視鏡的粘膜切除2),腹腔鏡下胃局所切除3),縮小手術4,5)のオプションを用意し,stage Ⅲ,Ⅳ症例に対しては,手術に加えて化学療法を中心とした集学的治療による延命効果を図り,すべての胃癌症例に対してQOLを向上させることを目標として治療を行っている.
本稿では,胃癌治療のフローチャートを示し(図1,次ページ),教室における胃癌治療の現況を胃癌取扱い規約(改訂第12版)6)に準拠して報告する.ただし,過去の文献中で旧分類で記載されているものは,正確を期するために改変しないで記載した.
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