Japanese
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特集 手術と副損傷
乳腺手術における副損傷
How to prevent against unnecessary injuries in the radical mastectomy
阿部 令彦
1
,
榎本 耕治
1
Osahiko ABE
1
,
Kohji ENOMOTO
1
1慶応義塾大学医学部一般外科
pp.821-823
発行日 1975年7月20日
Published Date 1975/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206280
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はじめに
乳癌根治手術は腹部の手術より十分良い視野が得やすいので,基本的事項を忠実に守れば副損傷は起こりにくい.しかし,対象が癌であり,進行した症例ではリンパ節転移が腋窩静脈に癒着していることもあり,また,胸骨旁リンパ節転移の症例で胸膜の肥厚,癒着があるような場合では胸膜の損傷も起こりかねない.今回,ここにとりあげたのは,そのような進行期癌の症例ではなく,ごくありふれた乳癌根治手術を行なつて,不注意というか,技術の未熟というか,ちよつとした動機で副損傷を起こしてしまいそうな点をとりあげ列挙した.
副損傷として,(1)皮膚,(2)血管,(3)神経,(4)その他(筋肉,胸膜等)があるが,術式の手順に従つて述べる.
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