Japanese
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特集 頸部腫瘤の臨床
診断のすすめ方
生検の方法と病理診断
Open biopsy and clinicohistopathology
松村 祐二郎
1
,
工藤 庄治
1
,
山下 弘之
1
,
中島 格
2
Yujiro MATSUMURA
1
1国立病院九州がんセンター頭頸外科
2(現)九州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.461-467
発行日 1987年4月20日
Published Date 1987/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209667
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1.頸部腫瘤とくにリンパ節の生検は,極めて難しい問題を含んでいるが,比較的簡単に考えられ取扱われている向きがある.2.種々の疾患を考慮し,少しでも悪性疾患の疑いがある時は,確定診断のあと直ちに治療に移れる準備を整え,あまり日にちをおかず,むしろ積極的に開放生検し,細胞診,組織診を行うことをすすめたい.3.生検は複数の腫大リンパ節が触れる時は、病変を十分示すと考えられる最も大きいリンパ節全体を,被膜ごとに摘出するよう努め,手術操作は特に丁寧に行い,リンパ節に対して無理な圧迫を加えないよう心掛けねばならない.4.悪性腫瘍の場合,術中,リンパ節腫瘍割面のスタンプ細胞診は,ほぼ満足すべき正確な診断が得られ,迅速組織診と相俟つて即刻治療開始のできる利点がある.5.原発巣不明頸部転移癌の取扱いは,各科の専門医に相談し原発部の発見に努めるが,頭頸部領域癌の頻度が高いことを忘れてはならない(80%法則)12).6.針生検は現在のところ,確実な診断を得るのに十分な方法とはいえず,特定な場合を除き行うべきでないと考えられる.
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