連載 耳鼻咽喉科“コツ”シリーズ 2.検査のコツ
⑧生検(扁桃,唾液腺,甲状腺)
宮嶋 義巳
1
,
中島 格
1
1久留米大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.555-559
発行日 1999年7月20日
Published Date 1999/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902026
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はじめに
悪性腫瘍の診断には問診,視診,触診,画像診断などが用いられるが,確定診断は病理組織診断によることが多い。また,悪性腫瘍の中でも組織型により治療方針が異なるため,治療を開始するにあたって確定診断がなされていることは非常に重要である。しかし,悪性腫瘍では生検操作により進行を助長したり,転移を起こす危険性がある1,2)。腫瘍組織の一部を機械的操作によって採取する場合,腫瘍細胞がリンパ管ないし血管内に流入したり,癌周囲膜の破壊により局所での腫瘍の増大を誘発することになる。生検から治療開始までの時間を短くし予後をよくするには,癌の治療のできる医療施設で治療計画の一環として生検を行うことが望ましい。
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