Japanese
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特集 消化管のEmergency—穿孔・破裂
消化管穿孔の対策—十二指腸潰瘍穿孔
Perforated duodenal ulcer
鈴木 忠
1
Tadashi SUZUKI
1
1東京女子医科大学第2外科
pp.315-323
発行日 1987年3月20日
Published Date 1987/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209646
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十二指腸潰瘍穿孔は,突発的発症と強い腹部症状により,容易に疑診できるものである.さらに.X線検査や内視鏡検査等の日常的な手段により,確診も因難なことではない.
一方治療についてみると,国際的には実に多様に考えられており,死亡率も国により大きく相違している.これに対し,わが国ではいずれの施設でも大変に良い成績をあげており,今や議論の中心は,致命率ではなく,術後合併症や潰瘍再発等の点に移つている.
以上の観点より,本稿では今さらながらの基本的事項ははぶき,本症を主題にとり上げた第8回世界消化器外科学会の報告,及び最近のわが国学会での報告等を踏まえて,最近の考え方と問題点の幾つかを述べた.
さらに,本症は,発症状況と病像により2または3型に分類でき,それら各々の背景が異なることを述べ,治療方針も特定のものに一辺倒すべきでなく,症例ごとに,各々の背景に応じて決定すべきであることを強調した.
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