特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.注意すべき状態の患者の薬物投与
アルコール依存症患者
石井 裕正
1
,
重田 洋介
1
1慶応義塾大学医学部内科
pp.940-941
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209452
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□基本事項
1)アルコールは,肝ミクロソーム薬物代謝系に影響 し,長期大量飲酒で酵素誘導現象を生じ,薬物代 謝の亢進または遅延が起こり薬効に影響をおよぼ す.
2)患者の血中にアルコールが証明される時期と,「し らふ」の時期とではその薬物代謝能に差がある. すなわち,血中にアルコールが存在するときには 薬物の代謝が遅延し,常習飲酒家が「しらふ」で 血中にアルコールが存在しない時には代謝が亢進 する1).この事をよく確認して薬剤の投与量を決 定する必要がある.
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