My Operation—私のノウ・ハウ
結腸左半切除術
中野 眼一
1
1群馬大学医学部第1外科
pp.457-461
発行日 1986年4月20日
Published Date 1986/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209295
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適応と手術
結腸癌や大腸炎症性疾患は本邦において近年増加の傾向にある.結腸左半切除術の適応となる疾患には,下行結腸癌,S状結腸癌及び大腸憩室症などがある.S状結腸癌は大抵の場合,前方切除で治療が可能であるが,下腸間膜動脈根部へのリンパ節転移の場合は血流の関係から本術式の適応となることがある.下行結腸癌の場合,すべて本術式をとるとは限らず,癌の発生部位とリンパ節転移の範囲により切除範囲は異なる.大腸憩室症は筋層の肥厚による内腔の狭小化を伴うため,不完全な切除は,縫合不全の原因となり,思い切つて非病変部を含めて切除する必要性が生じ,本術式になる場合がある.本稿では下行結腸癌における結腸左半切除について記述する.
本術式を合併症を起こすことなく施行するには次の点に留意することが大切である.
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