Japanese
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特集 胆嚢隆起性病変をどうするか
診断上の問題—エコーでどこまで鑑別できるか
Ultrasonographic diagnosis of polypoid lesions of the gallbladder
伊藤 徹
1
,
高見 実
1
,
小菅 智男
1
,
国土 典宏
1
,
針原 康
1
,
柴山 和夫
1
,
出月 康夫
1
Tohru ITO
1
1東京大学医学部第2外科
pp.25-30
発行日 1986年1月20日
Published Date 1986/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209221
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胆嚢小隆起性病変の切除例34例の検討では,良性病変は全例が12mm以下であり13mm以上の4例はいずれも腺癌であつた.10mm以下のm癌も3例経験した.USでは,これら34例中25例(74%)に病変を描出しえたが,10mm以下の病変ではretro—spectiveにみても病変の良悪性の鑑別は困難であつた.また,USで病変を描出しえなかつた例では,病変が小さかつたことや胆石合併がその原因と考えられた.
胆嚢隆起性病変のUS診断では,良悪性の鑑別を含め質的診断は困難と考えられる.現時点では病変の大きさを基準に治療方針を立てることになるので,病変の見落しをなくすことと病変の大きさを正しく診断することが重要である.
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