特集 がん・画像診断の死角
肝臓
伊藤 徹
1
,
針原 康
1
,
三條 健昌
1
,
出月 康夫
1
,
万代 恭嗣
2
1東京大学医学部第2外科
2社会保険中央総合病院外科
pp.89-105
発行日 1985年6月20日
Published Date 1985/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209026
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はじめに
超音波断層法(US),コンピュータ断層撮影(CT)の進歩に伴つて肝疾患に対する画像診断は様相を一変しつつある.肝腫瘍の存在診断を目的とした肝シンチグラフィーは特殊な例を除いては不要のものとなりつつあり,血管撮影(SAG)も単なる腹腔動脈造影だけでは,US,CTで得られる所見以上のものが少ないため,超選択的造影やpharmacoangio—graphyが要求されるようになつている.
一方,US,CT,SAGともに,肝腫瘍の存在診断・質的診断・部位診断に関して,診断能には差がありそれぞれに死角とも表現されるべき問題点がある.そこで今回は主として肝癌の診断,手術適応の決定という面から,これら各種画像診断の死角ともいうべきものをとり上げつつ,各診断法が何を目的とした検査であるべきかを論じてみたい.
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