Japanese
English
特集 閉塞性黄疸—最近の診断法の進歩
超音波診断法でどこまでわかるか
Ultrasonic examination in obstructive jaundice:it's accuracy and limitation
幕内 雅敏
1
,
長谷川 博
1
,
山崎 晋
1
,
万代 恭嗣
2
,
伊藤 徹
2
,
渡辺 五朗
2
Masatoshi MAKUUCHI
1
1国立がんセンター外科
2東京大学医学部第2外科
pp.1103-1111
発行日 1980年8月20日
Published Date 1980/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207485
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はじめに
超音波は,無侵襲な検査法のなかで最も脈管の描出能に優れている.超音波検査の目的は結石の描出,脈管の描出,腫瘤の描出などにあるが,とりわけ,胆嚢内結石や脈管構造の描出において確実である.特に,実時間表示装置(リアルタイム装置)の開発によつて,脈管の同定が正確になり手動装置より短時間にしかも技術を要さずに,情報が得られるようになつた.
実時間表示装置には,機械式セクター装置,リニア型電子スキャン装置,セクター型電子スキャン装置,大きな水槽と反射板を内蔵した装置などがある.現在,日本で多用されている装置は,前2者である.機械式セクター装置は,最も安価で分解能も良好であり,腹部の外来検査用として,推奨できる装置である1).欠点はセクター装置の常として,近距離の雑音の多いことがあげられる.リニア型電子スキャン装置は,初期のものでは分解能が悪く,虚像も多かつたが,微小角セクターと電子フォーカスの導入により,画像の向上をみた2).さらに,最近使用可能になつたダイナミックフォーカス付きの装置は,分解能も極めて向上し,グレースケール装置に比して,遜色のないものになつている.
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