けんさ質問箱
体腔液の鑑別診断上の問題点
瀬田 章
1
,
金子 伸行
1
,
松島 常
2
1東大病院病理部
2東大病理学教室
pp.192-193
発行日 1988年2月1日
Published Date 1988/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204420
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問 体腔液の細胞診で中皮細胞,マクロファージの鑑別が,簡単につくでしょうか.これらの細胞と腺癌細胞の鑑別に迷うことがありますが,鑑別法をお教えください.(埼玉・W正)
答 腺癌細胞と中皮細胞,組織球との鑑別方法としてはPapanicolau染色(PaP染色),だけではなく,最低でもMay-Giemsa染色(M-G染色),PAS染色を併用しなくてはならない.PaP染色は主に上皮性腫瘍の鑑別に役だつ.M-G染色は,細胞の大きさ,細胞質,核,核小体を観察するのに有用で,血液疾患,悪性リンパ腫,肺の小細胞癌などの鑑別に役だつ.PAS染色はその細胞が,悪性細胞か,良性細胞かを鑑別するのに便利である.
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