カラーグラフ 胆道疾患の外科病理・8
胆嚢の良性上皮性腫瘍
伊関 丈治
1
,
高見 実
2
,
伊藤 徹
2
,
出月 康夫
2
1静岡県立総合病院外科
2東京大学第2外科
pp.277-279
発行日 1986年3月20日
Published Date 1986/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209265
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良性上皮性腫瘍の分類
従来,胆嚢の良性上皮性腫瘍として腺腫があげられてきた.腺腫は乳頭状ないし腺管構造からなるポリープ状の隆起性病変と規定される.1)しかし肉眼的に隆起が軽度であるか隆起を示さない腫瘍性病変も腺腫に含めるとする見解もある.2)著者は肉眼的に隆起が明瞭な良性の腫瘍性病変と,肉眼的に隆起が明らかでない中等度ないし高度の異型上皮からなる腫瘍性病変は,その組織像も異なることから別個に扱い,前者を腺腫,後者を異型上皮巣と呼称することが適切ではないかと考えている.異型上皮からなる病変がすべて腫瘍性病変であるとは限らない.しかし,そのなかには異型性が強く,癌との境界領域病変とみなさざるをえないものがあり,それらは良性上皮性腫瘍に含めることが妥当と思われる。
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