My Operation—私のノウ・ハウ
胃癌に対する幽門側胃切除術
古賀 成昌
1
1鳥取大学医学部第1外科
pp.947-951
発行日 1985年7月20日
Published Date 1985/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209065
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適応と手術
胃癌の手術では,胃主癌巣の完全切除とともに,領域リンパ節の十分な郭清を行うことが,他の胃良性疾患の胃切除と著しく異なる点である.かつては肝,膵など他臓器への転移,浸潤がある場合には,積極的な胃切除は行われなかつたが,近年では,これら諸臓器の合併切除とともに積極的に胃切除が行われるようになつた.さらに,進行した胃癌でこのような合併切除が出来なくても,可能であれば,胃主癌巣だけを切除し,遺残癌巣に対しては,化学療法を中心とした集学的治療を行うという,いわゆるreduction surgeryも行われるようになつてきた.ことに,腹膜転移例に対しても,その程度が,P1,P2程度であれば,可能なかぎりのリンパ節郭清を含む胃切除によつて,術後2年以上の生存例も得られている.このように,化学療法などの補助療法の進歩がみられる今日では,非治癒的であつても,可能なかぎり積極的な胃切除を行うことが望ましい.
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