Japanese
English
臨床報告
肝嚢胞腺癌の1例
A case of biliary cystadenocarcinoma
石神 博昭
1
,
山中 義秀
1
,
小川 清
1
,
山路 正文
1
,
小久保 茂樹
1
,
青柳 栄一
1
,
藤崎 安明
1
,
伊藤 健次郎
1
Hiroaki ISHIGAMI
1
1成田赤十字病院外科
pp.835-838
発行日 1985年6月20日
Published Date 1985/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209048
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はじめに
孤立性非寄生虫性肝嚢胞に包括される肝嚢胞腺腫は稀な疾患であり,その発生母地は正常の胆管系とは交通を持たない異所性胆管組織であると言われているが,未だはつきりした結論は得られていない.一方,腫瘍内に良性上皮が残存している事から肝嚢胞腺腫の比較的緩慢な経過中にその壁の一部が癌化する事が主な発生原因と考えられる肝嚢胞腺癌はさらに稀なもので,現在までに全世界で約30例が報告されているに過ぎない.
最近,我々は肝左葉に発生した肝嚢胞腺癌の1例を経験し,術前に腹部CTスキャン,超音波検査,内視鏡的胆管造影,血管撮影などを行うとともに外科的に切除し得たので若干の文献的考察を加え報告する.
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