Japanese
English
臨床報告
肝嚢胞腺癌の1例
Cystadenocarcinoma of the liver
高橋 正年
1,2
,
天目 純生
1,2
,
笠原 小五郎
1,2
,
森岡 恭彦
1,2
,
小池 盛雄
3
,
伊東 紘一
4
Masatoshi TAKAHASHI
1,2
1自治医科大学消化器外科
2自治医科大学一般外科
3自治医科大学病理学教室(病院病理)
4自治医科大学臨床病理教室
pp.1329-1334
発行日 1980年9月20日
Published Date 1980/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207520
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はじめに
真性の腫瘍である肝嚢胞腺腫や肝嚢胞腺癌はまれな疾患である.肝嚢胞腺腫は1892年にKeen1)が報告をして以来,いくつかの報告がなされている.この腺腫は極めて緩慢に経過する良性腫瘍として認識されており,その悪性化は文字通り稀有なこととされている.肝嚢胞腺癌としての報告は1943年Willisの報告2)以来20例余を数えるにすぎない.また,いわゆる肝嚢胞の一部が悪性化したものなどの報告も稀になされており,前者との鑑別が問題となる.われわれは,最近,肝嚢胞腺腫が悪性化したと思われる肝嚢胞腺癌を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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