発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002265190
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63歳男.上腹部痛,嘔気を自覚し,腹部超音波検査で胆嚢の腫大を指摘され,精査目的で入院となった.画像所見などから肝外側区域に発生した肝嚢胞腺癌と診断し手術を施行した.病理組織学的所見では,嚢胞の内側は胆管上皮に類似した異型性の強い円柱上皮におおわれ,内腔の充実性腫瘤は粘液産生を伴う高分化型乳頭状腺癌であった.嚢胞周囲胆管の,慢性炎症性変化,及び肝実質の線維化が認められた.アルシアンブルー染色では嚢胞内の腫癌に粘液産生を示す強い染色性を認め,又,肝内胆管内腔にも染色性を有する物質の充満がみられた.術後9年を経過した現在,再発の徴候を認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2002