特集 がん・画像診断の死角
乳房
深見 敦夫
1
,
霞 富士雄
1
1癌研究会付属病院外科
pp.167-191
発行日 1985年6月20日
Published Date 1985/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209030
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
われわれの施設では,乳房疾患の診断には触診を主とし,マンモグラフィーと超音波を補助診断として結論を導き出すよう努めており,それ以外の補助診断法は積極的にはとり入れていない.針生検,生検等の観血的診断は3者の総合診断でどうしても統一的な解答が得られない場合に限つて施行している.時代の趨勢からみて生検の比重が増加してくるであろうが,日本は米国とは社会情勢は異なつており米国の様な補助診断法をほとんど重視しないで生検一辺倒な思考方法は決して診断学の進歩といえるものではなく,われわれは生検をしないですむ努力を最大限払うことが診断学の進むべき道と考えている.
本項では3つの診断法,といつても触診は経験と個人差,主観による事が大きいため,ここでは触れない事とし,マンモグラフィーと超音波についてそれらの死角を中心として利点,欠点を述べる.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.