Japanese
English
特集 膵頭十二指腸切除後の再建法のポイント
膵胃吻合法
Pancreaticogastrostomy after pancreaticoduodenectomy
渡辺 五朗
1
,
宇田川 晴司
1
,
鈴木 正敏
1
,
小野田 雅
1
,
鶴丸 昌彦
1
,
秋山 洋
1
Goro WATANABE
1
1虎の門病院消化器外科
pp.621-625
発行日 1985年5月20日
Published Date 1985/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209003
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膵頭十二指腸切除術後に生ずる膵炎,膵液漏出は,死に至る最も重篤な合併症であり,本手術の成否を決定する重要な要素を成している.したがつて再建時における膵との吻合は外科医が最も神経質になる場面であり,本邦では主に空腸を用いる膵空腸吻合法における安全性につき検討され,種々の工夫が行われて来た1,2).
一方,欧米ではその工夫の1つとして1944年Waughら3)が初めて膵胃吻合(Pancreaticogast—rostomy)の臨床例を報告し,現在でも安全な術式としての評価を得ている.われわれも従来膵空腸吻合として膵断端を空腸に陥入させる術式を行つて良好な成績を得ていたが,より安全で簡単な手技として,本邦で初めて秋山らが報告した4)膵胃吻合を行い,期待さるべき結果を得ているので,以下に本法の手技および成績を中心に述べる.
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