膵頭十二指腸切除術(PD)をめぐる諸問題
正常膵に対する膵空腸吻合法update
佐々木 亮孝
1
,
小田 竜也
,
近藤 匡
,
福永 潔
,
寺島 秀夫
,
山本 雅由
,
稲川 智
,
柳沢 和彦
,
及川 明奈
,
若林 剛
,
大河内 信弘
1筑波大学 大学院人間総合科学研究科消化器外科
キーワード:
医学用イラストレーション
,
術後合併症
,
術中合併症
,
膵空腸吻合術
,
膵臓腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
膵瘻
,
ステント
,
動脈瘤-偽性
Keyword:
Intraoperative Complications
,
Medical Illustration
,
Pancreatic Fistula
,
Pancreatic Neoplasms
,
Pancreaticojejunostomy
,
Postoperative Complications
,
Stents
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Aneurysm, False
pp.929-934
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007337352
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膵機能が保たれている正常膵での膵空腸吻合の縫合不全はいったん起ると致命的となることがあるため、安全かつ確実な吻合が要求される。動物実験では膵空腸粘膜吻合法が創傷治癒および膵管の開存性でもっとも優れており、嵌入法から膵管空腸粘膜吻合法に主流が移りかわってきた。近年、Kakitaらにより独自の膵空腸吻合法が考案され、膵空腸貫通密着吻合法あるいは柿田式吻合として普及しつつある。各施設独自で、内層は膵管空腸粘膜吻合法で行い、外層を柿田式の膵実質-空腸漿膜筋層密着縫合法を採用し膵空腸吻合を行っている施設もある。万一、膵液瘻が生じた場合でも仮性動脈瘤が発生しない工夫として、大網や肝円索を用いた肝動脈および胃十二指腸動脈断端の被覆が最近行われている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007