Japanese
English
特集 癌のSurgical Emergencies
心タンポナーデ
Neoplastic cardiac tamponade
高野 照夫
1
,
新田 隆
1
,
植田 俊郎
1
,
小坂 真一
1
,
田中 啓治
1
,
家所 良夫
2
,
桑原 哲夫
3
Teruo TAKANO
1
1日本医科大学付属病院集中治療室
2日本医科大学付属病院胸部外科
3日本医科大学付属病院第3内科
pp.375-381
発行日 1985年3月20日
Published Date 1985/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208962
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悪性腫瘍は心嚢へ転移することが多く,致命的な悪性心嚢水腫(心タンポナーデ)を起こすゆえ,緊急治療が必要である.この診断には臨床症状や胸部X線写真,奇脈心電図,心プールスキャン,胸部CT等の検査法によつてなされるが,緊急の際,最も有力なのは心エコー図である.心タンポナーデの治療法としては心嚢穿刺法と剣状突起下心膜切開術がある.悪性腫瘍の場合には持続的に心嚢液が貯留するので,剣状突起下より心膜を切開しドレーンを留置する剣状突起下心膜切開術が優れた治療法である.本症は急激に進展し生命をおびやかすが,迅速・的確に診断と処置を行えば,悪性腫瘍患者の救命・延命を可能にし,かつ苦痛を除去することができる.
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