特集 腫瘍随伴症候群とオンコロジーエマージェンシー―病態や治療に伴う多彩な症状
局所症状を呈するオンコロジーエマージェンシー
心タンポナーデ
横内 浩
1
,
井上 仁喜
2
1国立病院機構北海道がんセンター呼吸器内科
2国立病院機構北海道がんセンター循環器内科
キーワード:
心タンポナーデ
,
悪性心囊液
,
がん性心膜炎
Keyword:
心タンポナーデ
,
悪性心囊液
,
がん性心膜炎
pp.1553-1555
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1553
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Summary
▪悪性心囊液が主因となる心タンポナーデは,循環不全にて致命的となるため,オンコロジーエマージェンシーの一つに分類される.
▪悪性心囊液の原発部位は肺がんが最多であり,次いで乳がん,悪性リンパ腫や白血病などの造血器がんに多い.
▪診断には心臓超音波やCTが有用で,迅速な心囊穿刺やドレナージなどの経皮的処置によって劇的な症状緩和が得られる.
▪処置後に心囊液貯留が安定した患者には原疾患に対する全身化学療法が考慮されるが,その予後は厳しい.
© Nankodo Co., Ltd., 2019