今月の主題 内科エマージェンシー
疾患からみた内科エマージェンシー
循環器疾患
心タンポナーデ
松崎 益徳
1
1山口大学医学部・第2内科
pp.1197-1199
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222569
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心タンポナーデ(cardiac tamponade)とは,何らかの原因による心膜液貯留により,著明な心膜腔内圧の上昇の結果,とくに右心系の著しい充満障害をきたし,心拍出量の低下や異常な血圧の低下を発生した状態と定義することができる.急性に発症する心タンポナーデの原因としては,心筋梗塞後の心臓破裂,急性解離性大動脈瘤,胸部外傷や,心臓カテーテル検査時の壁穿孔などがあり,また,比較的ゆっくりと発症する原因としては,心膜への癌転移による癌性心膜炎や,結核性心膜炎,ウイルス性心膜炎の炎症性心膜炎によるものや,また,膠原病に伴う心膜炎や尿毒症性心膜炎などがある.
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