Japanese
English
特集 癌のSurgical Emergencies
肺癌における急性呼吸不全
Practical problems in surgical emergency for lung cancer patient
藤村 重文
1
,
近藤 丘
1
,
山内 篤
1
,
岡部 健
1
,
半田 政志
1
,
仲田 祐
1
Shigefumi FUJIMURA
1
1東北大学抗酸菌病研究所外科
pp.331-336
発行日 1985年3月20日
Published Date 1985/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208955
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東北大抗研外科において過去5年間に経験した肺癌手術512例のなかから,緊急手術を必要とした11例(喀血1例,気道閉塞による呼吸困難2例,肺炎5例,血胸および気胸3例)をとりあげ,それぞれの手術における実際的な問題点に関して検討した.
肺癌における緊急手術においては,術前検査が十分に行われない場合が多々あり,従つて術後合併症を防止する対策に苦慮することがある.合併症のうち,術後肺合併症はそれだけで致命的であるため,その背景因子となる術前合併疾患や低肺機能の存在の有無を知るためにできる限りの検索を行うべきである.術中は,対側吸引を防止し,術後は気道管理をとくに厳重にする.転移性肺腫瘍における血胸や気胸の手術では,将来の再手術を考慮して,該側は十分に視野を拡げ,できる限り病巣を摘出する必要がある.
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