ここが知りたい 臨床医のためのワンポイントレッスン
肛門周囲膿瘍の外来診療のポイントは
葛西 猛
1
H. M.
1帝京大救命救急センター
pp.645
発行日 1984年5月20日
Published Date 1984/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208628
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A;1)肛門周囲膿瘍Periproctal abs-cess
診断のポイント
(1)肛門周囲膿瘍は歯状腺上の肛門小窩,anal cryptから細菌が侵入,肛門腺anal glandを介して肛門周囲に膿瘍を形成したものである.発生部位により図1のように分類され,その発生頻度は低位筋間膿瘍が最も多く,全体の60%を占め,次に坐骨直腸窩膿瘍が20%で続く.
(2)肛門痛に発熱を合併するのは肛門周囲膿瘍以外になく,従つて病歴のみで診断が可能である.多くの例では肛門周囲に発赤,圧痛を持つ硬結を触れるが,粘膜下膿瘍および一部の低位筋間膿瘍などでは,肛門指診により限局性で圧痛を持つ硬結を触れること,あるいは肛門鏡で該当するクリプトからの排膿を見ることにより,はじめて診断される。
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