Japanese
English
臨床報告
左鎖骨上窩に発生した胸管嚢胞の1切除例
A case of thoracic duct cyst of the left supra clavicular region
谷村 繁雄
1
,
小林 和生
1
,
友安 浩
1
,
伴場 次郎
1
,
正木 幹雄
1
,
松下 央
2
,
松谷 章司
2
Shigeo TANIMURA
1
1虎の門病院呼吸器外科
2虎の門病院病理
pp.397-401
発行日 1984年3月20日
Published Date 1984/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208591
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はじめに
頸部に発生する嚢胞には正中頸嚢胞,側頸嚢胞,嚢胞状リンパ管腫,類上皮嚢胞,血液嚢胞などがある1).これら嚢胞の内容液は,通常黄色透明または血性であり,"乳び"であることはまずない.乳び嚢胞である場合には胸管嚢胞が疑われるが,横隔膜より上部に発生する胸管嚢胞は比較的稀な疾患であり,現在までに約20例の報告がみられるにすぎず,なかでも頸部に発生する場合はきわめて稀である.
最近われわれは,左鎖骨上窩に発生した乳び嚢胞で,種々の検索より胸管嚢胞と考えられる1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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