Japanese
English
特集 鼠径・大腿ヘルニアの話題
成人鼠径ヘルニア
嵌頓ヘルニア手術のポイント
Operation technique of strangulation adult groin hernia
大谷 五良
1
Goro OHYA
1
1三井記念病院外科
pp.1019-1022
発行日 1983年7月20日
Published Date 1983/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208380
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
鼠径部嵌頓ヘルニアの症状と診断
咳,長時間歩行,怒責など急な腹圧上昇をきつかけとし,鼠径部の腫瘤が不還納となり,次第に腫瘤の大きさが増大,また緊満性となるので,多くは自分で異常に気付く.腹痛および局所の疼痛が次第に強くなり,ショック状態になることもある.初期には悪心の他,嘔吐をすることがある.もちろん嵌頓ヘルニアの多くは絞扼性イレウス状態になるので,発症後時間が経過すれば,腹満,腹痛,腸内容の嘔吐,腹膜炎症状などを併発してくる.
鼠径部に緊満性の腫瘤をふれ,上記の症状があれば診断は容易であるが,嵌頓つまりヘルニア内容(多くは腸管)の血行障害がおこつているのか,単なる非還納性ヘルニアであるのかは初期には鑑別が困難である.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.