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特集 鼠径・大腿ヘルニアの話題
成人鼠径ヘルニア
再発ヘルニアの原因と治療法
Causes and repairs of adult recurrent inguinal hernias
大沢 二郎
1
,
小菅 貴彦
1
,
白石 隆祐
1
,
東出 俊一
1
,
矢田貝 凱
1
,
篠田 正昭
1
Jiro OHSAWA
1
1岐阜歯科大学外科
pp.1023-1025
発行日 1983年7月20日
Published Date 1983/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208381
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はじめに
わが国全体で鼠径ヘルニア手術後の再発率が何%ぐらいであるかは興味ある問題である.過去8年間に当外科で扱つた成人再発鼠径ヘルニア手術例は63例で(表1),同期間における鼠径ヘルニア手術例は497例であるから,約13%の再発ヘルヘルニアを手術していることになる.再発のため他医より紹介されてきた患者もいるので少し片寄つた数値と考えるが,それでも10%前後の再発率を予想させる.
再発ヘルニア例を手術して感じることは,まず内腹斜筋を鼠径靱帯に縫着している症例が多いこと,そしてこれらの症例の大多数においてその縫着部がほとんど用を足さないまでに断裂していること,次に外鼠径輪部を中心とし,陰嚢に向う間違つた皮切にはじまる症例ではヘルニア発生の源であり,ザック処理の最も重要な部位である内鼠径輪にはほとんど手術操作が加つていない事実に印象づけられる.
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