Japanese
English
臨床報告
十二指腸狭窄を伴つた胆石合併成人型輪状膵の1治験例
A case report of annular pancreas in the adult associated with cholelithiasis and duodenal stenosis
星野 澄人
1
,
中村 従之
2
,
佐藤 晴男
2
,
沈 秀明
2
,
土江 健嗣
2
,
山田 満昭
2
,
鈴木 正康
2
,
市川 正章
3
Sumito HOSHINO
1
1名古屋大学部第2外科
2安城更生病院外科
3安城厚生病院内科
pp.409-413
発行日 1983年3月20日
Published Date 1983/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208272
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はじめに
輪状膵は,膵頭からのびた過剰の膵組織が,十二指腸下行脚を輪状に取り囲む発生異常である.新生児期には,十二指腸閉塞または狭窄で緊急手術され,しかも他の合併奇形を多くみとめるのに対し,成人では,十二指腸狭窄症状に乏しく,無症状に経過する場合が多く,胃十二指腸潰瘍,胆石症,急性膵炎などの合併症で発見されることが多く,新生児輪状膵とは,病像を異にしている.成人型輪状膵は,本邦にては,現在まで66例の報告があるが術前診断並びにその導管系を明らかにしているのは,数例のみである.われわれは,最近低緊張性十二指腸造影及び内視鏡的膵管造影にて,術前診断しえた症例を経験したので,本邦報告例と合わせて,若干の文献的考察を加え報告する.
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