Japanese
English
臨床報告
Pneumatosis Intestinalisを伴つた多発外傷の1治験例
A case report of multiple trauma with pneumatosis intestinalis
水野 弘
1
,
栗原 正典
1
,
山田 国正
1
,
大舘 敬一
1
,
亀谷 忍
1
,
飯島 登
1
Hiroshi MIZUNO
1
1聖マリアンナ医科大学第2外科
pp.1525-1529
発行日 1983年10月20日
Published Date 1983/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208469
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はじめに
Pneumatosis Intestinalis1)(以下P-Iと略す)は,腸管壁内ガス,腸間膜静脈内ガス,門脈内ガスの経路をたどり予後不良の合併症あるいは徴候として知られ,Pne—umatosis Cystoides Intestinalis2)とは,臨床症状及び経過が異なつている.P-Iによる門脈内ガス血症の報告は少なくわれわれの集計では,本邦5例の報告があるにすぎない.われわれは,全身多発外傷受傷後腹部単純撮影にて経過観察中にP-Iを発見し,腹部血管造影にて,上腸間膜動脈(以上SMAと略す)及び下腸間膜動脈(以下IMAと略す)にわたる広範囲の虚血部位を確認したが,全身状態不良のため大量腸管切除は致命的だと考えた.このためプロスタグランディンE13))(以下PG—E1と略す)の持続動注をSMA,IMAへの留置カテーテルより行い腸管虚血範囲の縮小を図り,受傷後第8病日に開腹,腸管壊死部を切除し,P-Iにより発見した外傷性虚血性腸炎を救命しえたので若干の文献的考案を加えて報告する.
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