特集 外科外来マニュアル
私の治療
総論
よくみる骨折と副木法
森 健躬
1
1厚生年金病院整形外科
pp.836-839
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208043
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□鎖骨骨折
転位が高度の場合は,中枢骨片の尖端が前上方に突出するので,触診で診断は容易である.しかし,小児に多い,いわゆる若木骨折のような骨の連続性を残すものでは,注意しないと見逃しやすい.転位がないか,あつても軽度のものは,幅広い包帯で両肩を後方へ引き,背部で交叉させる8字固定を行うだけでもよい(図1).このために最近は専用の固定バンドも市販されているが,健保適用はない.成人で,転位の著明なものは,外固定だけでは整復位の保持は不可能で,観血的整復固定術の適応となる.もし,骨癒合が進行するまでの1〜2ヵ月間,背臥位でいれば,骨片部の転位も自然に整復するが,容易に行える方法とはいえない.
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