Japanese
English
手術手技シリーズ 脊椎の手術・15
ヘルニア・脊椎症に対する手術手技—前方進入法について(Smith-Robinson,Cloward)
Anterior Approach of the Cervical Spine
森 健躬
1
Takemi MORI
1
1東京厚生年金病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgrey, Tokyo Koseinenkin Hospital
キーワード:
前方からの椎間板摘出
,
anterior removal of the disc
,
椎体削開
,
drilling of vertebral body
,
後方骨棘切除
,
removal of vertebral body
,
椎体固定
,
interbody fusion
Keyword:
前方からの椎間板摘出
,
anterior removal of the disc
,
椎体削開
,
drilling of vertebral body
,
後方骨棘切除
,
removal of vertebral body
,
椎体固定
,
interbody fusion
pp.947-955
発行日 1983年9月25日
Published Date 1983/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906819
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はじめに
前方進入法による頸椎の脊椎症や椎間板ヘルニアに対する手術は,Smith and RobinsonやClowardが,それぞれ独自に1958年前後に報告したのが始まりである.しかし,この人達は初めは神経学的脱落症候がない痛みに対する治療として行っていた.SmithやClowardは神経外科医であるので,神経障害のある症例にもこの方法を応用していったが,第47回日本整形外科学会に柏木会長の招待で来日したRobinsonは,Smith & Robinson法は,神経障害のあるときには適当でないとくりかえし主張し,最もよい適応は椎間板の変性で,洞・脊椎神経のC繊維が刺激されておきた痛みであるといっていた.整形外科医である彼の立場を示唆する考えといえる.Smithの後継者であるAronsonが,Smith & Robinson法でも正中位の椎間板ヘルニアによる頸髄症に対応できると報告した1970年までは,神経障害のある症例にこの方法を応用して良い成績をあげていたのは,日本の整形外科医が独占していたといってもよい.Clowardでさえ,彼の方法による頸髄症や神経根症の治療成績を発表はしていない.
われわれがこれまで行ってきた,前方進入法の手術手技について改めて紹介することにする.
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