特集 外科外来マニュアル
私の治療
一般
咬傷
真栄城 優夫
1
1沖繩県立中部病院外科
pp.784-785
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208027
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蛇咬傷
ハブとマムシは,何れも管牙蛇に属し,その毒牙は上顎の門歯の位置にあり,唾液腺で産生された毒液は,毒牙の先端からへだたつた側孔から排出される.従つて,ある程度,毒牙が組織内に入らなければ,毒液も,組織内には注入されない.このため,咬まれても,毒の注入されない,いわゆる無毒咬症は,約20%にものぼつている.無毒咬症の場合は,図1のような毒牙痕は存在しても,疼痛や腫脹などの局所症状を欠くことで診断することができる.マムシの重症例では,霧視,複視などの眼症状がみられ,悪心,嘔吐,腹痛,下痢などの全身症状は,ハブとマムシの重症例でみられている.稀には,蛇毒に対する即時性のアナフィラキシー症状もみられる.
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