特集 臓器別に斬る小児の感染症 最適な抗菌薬の選択と期間とは?
Ⅱ 各論
1 皮膚軟部組織
咬傷(イヌ,ネコ,ヒト咬傷について)
富樫 篤生
1
1札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査医学講座
pp.56-59
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001276
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サマリー
1 感染臓器:
創部(おもに皮膚・軟部組織)
2 想定する微生物:
黄色ブドウ球菌やレンサ球菌,嫌気性菌などに加えて以下の特徴的な菌を含む混合感染
イヌ咬傷:Pasteurella canis,Capnocytophaga canimorsus
ネコ咬傷:Pasteurella maltocida,Capnocytophaga canimorsus
ヒト咬傷:Eikenella corrodens
3 提出すべき検査:
創部培養(好気・嫌気),血液培養
4 経験的治療:
アモキシシリン・クラブラン酸,アンピシリン・スルバクタム
5 標的治療:
検出菌の感受性に合わせて検討する
感受性があればアンピシリン・スルバクタム,アモキシシリン・クラブラン酸
6 治療効果判定:
創部の発赤,腫脹,熱感,疼痛,排膿の改善など
感染部位に特異的なパラメーターを用いて判断する
7 Oral switch:
静注で開始した場合は感受性により可能な場合が多い
8 治療期間:
皮膚軟部組織感染症であれば7~14日間 合併症や感染臓器により延長
9 参考となる成書やガイドライン
文献1),2),3),4),5)
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