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Topics
超音波監視下前立腺凍結手術
Cryosurgery of prostate under the real-time ultrasonic control
澤村 良勝
1
,
安藤 弘
1
Yoshikatsu SAWAMURA
1
,
Ko ANDO
1
1東邦大学医学部泌尿器科
pp.81-87
発行日 1982年1月20日
Published Date 1982/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207869
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はじめに
今日,人口の高齢化社会を迎え,前立腺疾患患者が著しく増加しているが,それに伴いhigh riskの症例にしばしば遭遇するようになつてきた.そのため,当教室でも閉塞性前立腺疾患に対する凍結手術の施行頻度が徐々に増加しつつある.
前立腺の凍結手術を施行するにあたり,尿道より挿入する凍結プローグを正確に前立腺病巣部に位置づけすることが手術の安全性を確保する上で不可欠の条件であるが,従来の凍結プローブの位置決定法は凍結プローブに設置してある小さなリファレンス・ノブを指標とした直腸診による,半ば盲目的操作により行われてきた(図1).凍結プローブが適切な前立腺腺腫部に位置していない場合には,凍結効果が不十分となるばかりでなく重篤な合併症をひき起す原因となる.これらの合併症を防止する目的で先人は多くの工夫と試行をくり返しつつ今日に到つているが,合併症はなおかなりの率に発生しているものと思われ,凍結療法の進展は停滞しがちのようである.その最大の理由は,操作がほとんど盲目的に施行されている点にあり,前立腺腺腫以外の組織を凍結させる危険性が常に存在する.また,凍結効果に関しても,凍結経過を観察することができないため,大部分経験的感触に依存してきた点にも関わりがある.
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