特集 術後1週間の患者管理
子宮摘出術
伊藤 博之
1
1聖路加国際病院産婦人科
pp.625-628
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207676
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子宮摘出法には,腹式と腟式があり,さらに術式としては,広汎性子宮全摘術(腹式):単純性子宮全摘術(腹式,腟式)ならびに子宮腟上部切断術(腹式)などがある.各術式は疾患の種類と程度,患者の年齢,妊孕性などによつて決定される.本稿では,日常最も繁用されている腹式単純子宮全摘術の術後管理を中心に述べることにする.
本手術の対象となるのは,子宮筋腫,子宮内膜症,子宮頸部癌(0期),子宮体部癌(1期)などであり,比較的mildな症例が多い.しかしながら,婦人科患者,なかでもとくに子宮筋腫の場合には,術前から貧血を認め,術前術中に輸血を必要とすることも多い.また近年,婦人の高齢化が著しく,ことに子宮癌患者では,高齢に加えて,低蛋白血症や心肺合併症を有する,いわゆるhigh risk例症も増加傾向にある.それゆえに手術に際しては,十分な術前検査とそれにもとづく術前準備が必要であろう.
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