特集 術後1週間の患者管理
卵巣摘出術
寺島 芳輝
1
,
安田 允
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科
pp.629-632
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207677
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
卵巣には腫瘍のhot bedといわれる位,原発,転移性を含め,多種類の良,悪性腫瘍があらゆる年齢層に発生する.したがつて,術式も腫瘍の良,悪性,年齢,妊娠,分娩歴などにより,それぞれ異なり,おのずと管理方式も違つてくる.良性ならば,老年期を除き,できるだけ卵巣の機能保存に努め,嚢腫摘出術を原則とするし,悪性であれば,単純子宮全摘出術+両側付属器摘出術+大網切除術を基本術式とし,さらに進行癌であれば,腸管切除などの外科手術も加わり,転移巣を含めた腫瘍の切除を積極的に行なつている.それゆえ,手術侵襲の程度により,おのずと術後管理も異なつてくるが,vital signsのチェック,術創部からの出血,尿量の測定,感染のチェック,循環器,呼吸器,消化器系の管理など,他の腹部手術と変つた点はないけれども,骨盤内の手術故,血液や滲出液が貯溜し,感染源となりやすいので,術後の死腔炎や尿路感染には特に注意すべきである.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.