特集 術後1週間の患者管理
消化管瘻の手術
小平 進
1
,
勝又 貴夫
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.533-537
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207660
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消化管瘻には消化管皮膚瘻,消化管内瘻,消化管と他臓器との瘻孔形成などがあり,また消化管の瘻孔の部位により種々の病態を呈し,管理に関しても一律には述べられない.ここでは腹部外科手術後に比較的多くみられ,しばしばその管理に難渋するhigh outputの小腸皮膚瘻の根治手術における術後管理を中心に述べる.小腸瘻の手術に関しては言うまでもなく,瘻孔の発生から手術に到るまでの術前管理が最も重要である.術直後の管理においても術前より存在する可能性のある脱水,電解質異常,低栄養状態に対する考慮が重要であり,また何らかの形で存在する感染に対する配慮などにより,術後の創感染,縫合不全,敗血症の予防,および対処に細心の注意を払い,致命的な合併症を惹起せぬようにすることが大切である.これら以外は通常の小腸切除術の術後管理とかわるところはないと思われる.
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