今月の主題 膵疾患診療のトピックス
形態学的診断法
血管造影法—小膵癌の診断限界
有山 襄
1
,
炭田 正孝
1
,
島口 晴耕
1
Jo Ariyama
1
,
Masataka Sumida
1
,
Seiko Shimaguchi
1
1順天堂大学医学部・消化器内科
pp.545-547
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218210
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血管造影の膵癌診断の役割
血管造影は膵疾患の良悪性の鑑別と小膵癌の確定診断に役立つ.大きな進行した膵癌はUS,CTで診断できるので,ERCPや血管造影を行う必要はない.しかし,小膵癌の診断にはERCPで存在診断,血管造影で質的診断を行うことが必要である.
膵癌の90%以上は主膵管または1次分枝の膵管上皮から発生し,小さな腫瘍でも主膵管に閉塞・狭窄がみられる1).したがって,ERCPは膵癌の存在診断にもっとも有効である.膵管の閉塞・狭窄は膵癌,慢性膵炎,膵嚢胞などいろいろな膵疾患でみられ,鑑別が必要になる.この目的に血管造影が有効である.
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