Japanese
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特集 血管カテーテルの治療への応用
血管塞栓術(transcatheter embolization)
出血治療;上部消化管動脈出血の治療
Transcatheter embolization for the control of massive upper G.I. bleeding
有山 襄
1
,
池延 東男
1
,
炭田 正孝
1
,
白田 一誠
1
,
島口 晴耕
1
,
三隅 一彦
1
,
禿 陽一
1
,
白壁 彦夫
1
Jo ARIYAMA
1
1順天堂大学医学部消化器内科
pp.311-317
発行日 1980年3月20日
Published Date 1980/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207391
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はじめに
消化管の動脈からの出血例に,カテーテルを介して異物を注入し,動脈を塞栓して止血に成功した報告は,1972年,Rösch1)に始まる.この方法はtranscatheter embolizationとよばれ,欧米では本法による消化管出血の治療の有効性について,多数の報告がある.
消化管出血は本邦でもよく遭遇する疾患で,出血源の診断,重症度の判定および内科的,外科的治療についての報告は多いが,血管造影による治療の報告は少ない.この原因はまず第一に,医療態勢にある.消化管出血はいつ発生するか予測ができないが,血管造影で治療を行うためには,24時間,血管造影が施行できることが必要である.しかし,本邦ではそのような施設は少ない.第二の原因として血管造影による消化管出血治療法が内科医や外科医に十分理解されていないことがあげられる.
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