Japanese
English
臨床研究
閉塞性動脈硬化症の血行再建成績—とくに四肢動脈病変について
Results of revascularization for arteriosclerosis obliterans, with a special reference to lesions of the extremity
田辺 達三
1
,
川上 敏晃
1
,
太田 里美
1
,
横田 旻
1
,
安田 慶秀
1
,
本間 浩樹
1
,
杉江 三郎
1
Tatsuzo TANABE
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.421-426
発行日 1980年3月20日
Published Date 1980/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207406
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年,平均寿命の高齢化,食生活の向上,社会生活の複雑化,喫煙などと関連して,動脈硬化性疾患が増加してきている.動脈硬化性病変は全身の血管に一様にみられるわけではなく,また欧米例と異なり,われれが扱う症例は四肢動脈の閉塞例がきわめて多く,冠動脈,頸動脈,腎動脈,腹部内臓動脈などの病変例が少ないことは一般に認められている.表1は過去18年間にわれわれが経験した慢性閉塞性動脈硬化症症例213例であるが,四肢動脈の閉塞は164例,77%を占める.
四肢動脈病変例も検索が詳細になされるにつれ,増加のほか病変が複雑,広範囲,重篤なものを多く経験するようになつてきている.したがつてその外科治療にあたつては,全身的な患者の評価と局所病変の詳細な把握にもとづいて手術適応を決定しなければならない1-5).ここでは四肢慢性閉塞例についてわれわれの経験を述べてみたい.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.