Japanese
English
臨床研究
下肢動脈閉塞に対する血管カテーテルによる治療—Grüntzig balloon catheterによるPercutaneous Transluminal Angioplastyの経験
Transluminal angioplasty of arteriosclerotic obstruction with Grüntzig balloon catheter
佐藤 守男
1
,
山田 龍作
1
,
山口 真司
1
,
伊丹 道真
1
,
中村 健治
1
,
中塚 春樹
1
,
水口 和夫
1
,
津村 昌
1
,
山田 正
2
,
大野 耕一
2
SATŌ Morio
1
1大阪市立大学医学部放射線科
2大阪市立大学医学部第2外科
pp.415-419
発行日 1980年3月20日
Published Date 1980/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207405
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はじめに
動脈硬化性閉塞疾患は,従来欧米において頻度が高い疾患であつたが,近年本邦においても増加の傾向をたどつている.本疾患の非外科的治療法の一つとしてPercutaneous Transluminal Angioplasty(以下,P. T. A)がDotterらにより初めて報告されたのは1964年であり1),さらに1974年にGrüntzigらは,本法に特殊なballoon catheterを用いて良好な治療成績を報告するに到つた2).すなわち,P. T. Aとは,血管閉塞もしくは狭窄部に,経皮的にSeldinger法に準じて挿入した血管カテーテルで内腔を再開通させ,血流を改善する治療法である.外科的治療法の血栓内膜除去術,血行再建術に比し,侵襲が少なく,安全で反復可能で診断即治療を容易に行ない得る.また,外科的治療が困難とされる膝窩動脈より末梢動脈の閉塞の治療にも応用範囲が及ぶ利点もある.
今回,われわれは,Grüntzigが開発したballoon catheter(図1)を用いて下肢動脈閉塞疾患6例にP. T. Aを試みたのでその経験ならびに成績について報告する.
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