Japanese
English
臨床報告
下肢末梢の慢性動脈閉塞に対する積極的血行再建術について
Active revascularization to the distal chronic arterial occlusion in the legs
田辺 達三
1
,
川上 敏晃
1
,
久保 良彦
1
,
太田 里美
1
,
横田 旻
1
,
橋本 正人
1
,
笹 尚
1
,
高橋 透
1
,
田村 堅吾
1
,
杉江 三郎
1
Tatsuzo TANABE
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.125-130
発行日 1974年1月20日
Published Date 1974/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205968
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はじめに
下肢の慢性動脈閉塞に対する外科治療法としては今日,血栓内膜摘除術や血管置換またはバイパス移植術が行なわれ,少なくとも膝窩動脈より中枢側にある高位病変に対しては一応の成績があげられてきている.しかし膝窩動脈より末端側の低位病変にはかかる血行再建法は成功が難しいとされ,一般には広く応用されてはいない.
膝窩動脈以下の低位閉塞はとくに本邦では血栓閉塞性血管炎と考えられる症例が多く,この疾患が末梢血管に多発することから,下肢慢性動脈閉塞の過半数を占めている.これらの症例は安静時疼痛,潰瘍または壊死形成,チアノーゼ変色,冷感,歩行障害などを主訴として来院し,足趾の救助のため治療が必要である.かかる場合一般には腰部交感神経節切除術が施行されているが,その治療成績は必ずしも確実なものではなく,一時的軽快に止まることが少なくない.
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