Emergency Care—Principles & Practice・9
吐血・下血—(その2)上部消化管出血の手術
川嶋 望
1
,
古川 正人
1
,
中田 俊則
1
,
伊藤 新一郎
1
,
岩本 勲
1
,
前田 滋
1
1国立長崎中央病院救命救急センター
pp.402-411
発行日 1980年3月20日
Published Date 1980/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207403
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上部消化管出血の手術適応基準
すべての救急外科疾患と同様に上部消化管出血においても,状態の把握が不十分なために,手術時期を遅らせたり,失血を恐れるあまりに,手術適応を早まつたりしてはならない.
ちなみにわれわれが取扱つた出血性胃十二指腸疾患手術症例の来院から手術までの時間を出血状況別にみると表1のごとく,吐血のみで24時間以内に緊急手術を行なつた症例は少ない.また,吐下血患者の緊急内視鏡施行例の経過をみると(表2),約80%が一応止血している.従つて表3に掲げた手術適応基準は手術時期決定の参考事項であつて,患者各々の病態を加味して判断せねばならない.
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