今月の主題 内科エマージェンシー
症状からみた内科エマージェンシー
吐血,下血
椎名 泰文
1
,
三輪 剛
1
1東海大学医学部内科6
pp.1145-1147
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222551
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吐血,下血で発症する消化管出血は,日常診療でしばしば遭遇する病態である.悪心,嘔吐,めまいなどの症状とともに,突然の吐血,下血が出現し,その出血量が多量であったり,持続性である場合には,ショック状態に陥り,死に至ることもあるため,早期の診断と治療を必要とする.このため出血源の検索,出血量の判断,輸血の必要性などにおいて,的確でかつ早急な検査が必要となる.
最近では,出血性ショックに対する治療法の進歩,出血源検索のための緊急内視鏡検査の普及,内視鏡を用いた非観血的止血法の確立などにより,消化管出血のために緊急手術を行う症例は数少なくなっている.
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