今月の主題 内科エマージェンシー
症候別内科エマージェンシー
吐血・下血
白井 孝之
1
1東海大学医学部内科学6
pp.2114-2116
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902994
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ポイント
●吐血・下血は消化管出血における最も重要かつ頻発する症候である.
●上部消化管出血が70〜80%を占め,吐血を伴う場合にはより大量の出血であることが多いが,鼻腔,口腔からの出血や喀血を見誤らないよう注意を要する.
●ショックに陥っているか否かの迅速な見極めが重要で,その場合,気道確保と循環動態の安定化を最優先する.
●これらの処置を進めつつ,病歴聴取や診察を行い,状態が落ち着いたところで緊急内視鏡検査を含めた出血源の検索と止血および合併症の処置をする.
●出血が持続し初期治療によっても容易にショックから離脱しない場合は,時を移さずinterventional radiology,緊急手術などを考慮すべきである.
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