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特集 血管カテーテルの治療への応用
薬剤の注入
潰瘍性大腸炎に対して
Intra-arterial injection therapy to severe ulcerative colitis
馬場 正三
1
Shozo BABA
1
1浜松医科大学第2外科
pp.357-364
発行日 1980年3月20日
Published Date 1980/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207397
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はじめに
潰瘍性大腸炎はなお原因が明らかでない難治な疾患である.特に重症例は外科的治療と内科的治療の境界領域にあり,その手術適応の決定がむずかしく,諸家の報告により成績が異なる.
近年手術成績は向上しているが,白鳥ら1)の本邦集計例でも待期的手術の死亡率は6%であるのに比べ,緊急手術例では33%と高く,Goligher2)の報告でもほぼ同様の成績が報告されている.これは良性疾患の手術死亡率としては非常に高いもので,その原因はいろいろ考えられるが,1)全身の栄養状態が極度に悪化している.2)長期ステロイド大量投与例などが多く,感染に対する抵抗性の減弱,創傷治癒の面でも好ましくない状態にある.3)手術侵襲が大きい,などが挙げられる.
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