病気のはなし
潰瘍性大腸炎
小金澤 滋
1,2
1日本医科大学
2佼成病院肛門病センター
pp.350-356
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201610
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潰瘍性大腸炎は現在厚生省から指定されている難病の一つで,以前本邦ではまれとされていた疾患であるが,最近10年間に急に増えてきている.その理由として,戦後我が国の食糧事情が変わって,酪農肉食をとる人が多くなったこと,医学の進歩に伴って診断技術や診断用器械が発達して,今まで分からなかった疾患が分かるようになったことなどがあげられる.
また,潰瘍性大腸炎は血便を主訴として始まることが多いので,最も重要な直腸癌・結腸癌による出血とか,日本人に多い内痔核からの出血と鑑別しなければならない.しかも本症の診断と治療の面において,現在なお解決すべき多くの問題点がある.そこでこの疾患のあらましについて述べてみよう.
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